理想の働き方をするためのグラフィックデザイナーのポートフォリオ

作品が少しずつ増えて来ました。
自信もついてきましたので就職活動しようと思います。

クリエイティブ職の求人では「履歴書」、「職務経歴書」の他に「ポートフォリオ」の提出を求められます。

ポートフォリオとはデザイナーの作品集と思っている方も多いと思いますが、ポートフォリオは自分の今のスキル、実績を伝えるとても重要なツール。

ただ制作物を並べるだけでは不十分です。

今回は理想の働き方をするためのポートフォリオを考えてみましょう。

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ポートフォリオとは

平たくいうと個人の作品集です。

スキルや実績を計るためのツールですが企業の採用担当者がポートフォリオから読み取るのはそれだけではありません。

デザインセンス、情報整理能力、バイタリティ、オリジナリティ、表現力。

さらにはコミュニケーション能力など多くの情報をポートフォリオから得ているのです。

ポートフォリオを見た人に「どんな自分と思われたいのか」を意識して制作すると良いでしょう。

ポートフォリオを作るまえに


先程ポートフォリオはただの作品集ではないと申し上げました。

ここでまず先にポートフォリオを作る目的について考えてみましょう。

  • 就職活動のため
  • フリーランスがお仕事を受注するため

どんな職場でどんな働き方をしたいのか具体的に考えておきます。
家から近い職場で、、、となんとなく思っていると就職してみたらやりたい仕事ではなかったなどということになってしまうかもしれません。

フリーランスでお仕事を受注するためにポートフォリオを作成するのでしたら、どんなことが得意でどんな仕事をしたいのか、受けたいのか具体的にじっくり考えてみましょう。

理想の働き方では何をしているでしょうか?
企業のロゴをデザインしているでしょうか?
誰もが知る有名キャラクターのパンフレットやグッズをデザインしているでしょうか?
地域の情報誌をデザインしているでしょうか?

ターゲットは採用担当者


ポートフォリオは誰に見せるものでしょうか?
理想の職場の採用担当者ですよね。

その方に伝わるポートフォリオを作成しなければ、つまり採用担当者が一緒に働きたいと思ってくれなければその企業には就職できないのです。

何を当たり前のことをと思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。

しかし企業のことは全く考えず、自分が制作した物をただ並べているような自己満足なポートフォリオをたくさんみかけます。

ポートフォリオを作り始める前にまず自分はどんな働き方をしたいのか。

その理想の働き方ができる企業はどこなのかしっかりと決める必要があります。

2種類のポートフォリオ


ポートフォリオには大きく分けるとWebポートフォリオと紙媒体のポートフォリオの2種類があります。

さらに最近ではYouTubeなどの動画配信サービスにアップロードしている方もいらっしゃいます。

ここでは紙のポートフォリオについて考えてみたいと思います。

紙ポートフォリオのメリット

紙のポートフォリオは郵送や面接時に持参し、物理的に手渡しすることが出来ます。

紙ポートフォリオのメリット

A3などに印刷すると見栄えがする。
持ち運びがしやすい。
相手のデジタルリテラシーに左右されない。
ネット環境がなくても大丈夫。

ポートフォリオのサイズに決まりはないがA4サイズが一般的

ポートフォリオは特にひな形はありません。

自分の好きなサイズで作成して良いですが、持ち運びや郵送、見る相手のことを考えると縦か横の【A4サイズ】が一般的です。

【A3】サイズの印刷物はインパクトがあり大きく見栄えがします。

はがきサイズや【B5】など自分なりのこだわりサイズを考えてみても良いでしょう。

ページ数

20ページ前後が一般的です。

あまり少ないと判断材料が足りない場合もありますし、多すぎるのは忙しい採用担当者から好まれない傾向があります。

冊子にするかファイリングにするか

印刷屋で印刷⇒冊子

ベストプリント
上質で本のようなフォトブック『BON』

こちらの印刷屋のように1冊から印刷してくれる印刷屋もあります。

自宅で印刷⇒ファイリング

自宅で印刷される方も多いです。
例えばA4サイズで印刷してファイリングにすると、企業によって中身を入れ替えたりボリュームを変えることができるので柔軟に対応できます。

コンビニで印刷⇒ファイリング

コンビニで印刷も大変綺麗に印刷できます。
画像形式をPDFにしてUSBメモリなどに保存し、コンビニでカラーで印刷します。
「.Jpeg」や「.png」ではなく「PDF」にして印刷すると綺麗です。

ファイルの色は半透明や黒が多いです。

一般的なポートフォリオの構成


ポートフォリオ自体がクリエーターとしての作品です。

ポートフォリオの構成がきちんと見やすく構成され、デザインされていなければクリエーターとして高い評価を得ることは難しいでしょう。

誰が見ても明確に分かりやすくデザインすることを心がけましょう。

ポートフォリオに正解はありませんがどのように作っていったら良いかサッパリ分からないという方もいらっしゃるでしょう。

そこでまずは一般的なポートフォリオの構成を見ていきたいと思います。

紙のポートフォリオの構成

・表紙

・目次

・プロフィール

・コンテンツごとの表紙

・作品

表紙


表紙はポートフォリオの顔、表紙からポートフォリオの審査は始まっていると考えましょう。

表紙にも手を抜かず、続く内容に期待感を持たせる表紙に仕上げます。

目次


どんな作品をどのように並べているのか分かりやすく目次を作りましょう。

作品ジャンルごと使用アプリケーションごとなど見やすく分類すると良いでしょう。

プロフィール


基本的なプロフィール
・名前

・経歴

 これまで経験した担当業務

・スキル

 クリエーターとしてのこだわりや信念なども記載しましょう。

・顔写真

・使用できるソフト

 使用できるソフトや言語をどの程度できるのか記載します。
 上級レベルなのか、中級レベルなのか、初級程度かまたは何年使用歴があるか。
 5段階評価などでひと目で分かるようにするのも良いでしょう。

・資格・受賞歴等

 取得した資格、実績、受賞歴等あれば必ず載せましょう。

・趣味・特技

 趣味での写真や動画等も企業にとっては必要な人材となる可能性もあります。
 アピールできるところはしっかりアピールしていきましょう。

 またスキルアップのために行っている事なども記載しておくと良いでしょう。

・連絡先

プロフィールでは自分の人となりを見てもらえるようにします。
例えば趣味を簡単に記載することで面接担当者との話に広がりを持たせることも出来ます。
クリエーターとしてどのような意図で作品を制作しているのか、今後どのようなことを目指しているのかアピールしましょう。

コンテンツごとの表紙


中扉というコンテンツごとの表紙を設けて見やすいポートフォリオを心がけます。

作品が詰まったポートフォリオはあまり良い印象を受けません。

余裕のあるレイアウトを意識しましょう。

作品


・作品タイトル

・作品

・制作期間/制作時間
この作品がどのくらいの時間で制作できるのか、採用担当者はチェックしています。

・コンセプト
この作品をどのような意図で制作したのか明確にします。
またどのような層がターゲットなのか表記します。

・使用アプリケーション
どのアプリケーションを使用して制作したのか記載する。
アイコン等で分かりやすく記載するのも良いでしょう。

・実用例
名刺のように小さいものなら実物を貼ったり、
モックアップを使用し実用化された時のイメージが伝わるようにします。

載せる作品を選ぶ

ポートフォリオに載せる作品は少なくても多すぎてもいけません。

作った作品を全て見せたいという気持ちもあるでしょうが、面接官は限られた時間でスキルを図ったり、今後どのような活躍をしてくれるか可能性を見極めなければなりません。

採用担当者はポートフォリオを見て自分たちの会社に必要なスキルを持っているか、即戦力としてすぐに働くことができるか等をチェックしています。企業が求めていない作品やそれほどクオリティが高くない作品を並べるだけではマイナス評価になることもあるので注意が必要です。

一般的には20個前後が適切でしょう。

ポートフォリオに載せる作品がない

作品数がなくてポートフォリオに載せるものがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そのような場合はクラウドソーシングサイトなどで実績を作るのも良いでしょう。

評価されるポートフォリオ・評価されないポートフォリオ

評価されるポートフォリオ


企業に求められているものが記載されている
企業に求められているものは何かを理解しポートフォリオに載せる作品は企業ごとに変えていく必要があります。

丁寧に作られている


デザイナーのポートフォリオはそれ自体が作品です。
レイアウトが整っている。文字一つとっても見やすいフォントか、大きさはどうか、行間は適切か、文字間はどうか。オリジナリティがある等も評価されるポイントです。

作品の質が高く作品の質が一定なことも大切です。あまり自信のない作品は載せるべきではありません。

熱意が伝わる


デザインをする上で心がけていること、どのくらい熱心に作品作りしてきたのか。

スキルを上げるため今勉強していることや入社してから挑戦してみたいことなどの熱意をプロフィールの欄にでも記載しておくと意欲が伝わり印象が良いでしょう。

自分を表現出来ている


ポートフォリオで採用担当者が見ているものはスキルや作品の完成度だけではありません。
この人がどのようなことにこだわってデザインしているか、どのような人柄か、一緒に仕事をしていけるのか。自分のことが相手に伝わるようなポートフォリオを作りましょう。

評価されないポートフォリオ

企業が求めることと異なる


どんなにスキルを持っていてもポートフォリオが素晴らしくても企業が求めるものと違っていたら適切に評価されない可能性があります。

まずはどんな人物像を企業が求めているのか分析する事が大切です。
その人物像に自分のスキルが当てはまるのか。当てはまる場合どのようにアピールしていくのか慎重に検討していきましょう。

作品を詰め込んでいるだけ


ただ作品を羅列しただけのポートフォリオにならないように気をつけます。

自信がない作品を数合わせのために載せることはやめましょう。

趣味の要素が多すぎる

例えばイラストや油絵が趣味という方は、いくつか載せることでその人らしさが伝わるポートフォリオになりますが、それが応募企業の求めるものと違う場合はたくさん掲載しても評価には繋がらないでしょう。

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Posted by sweetchilli